モンスター図鑑(外来系)

Old One

49. オールドワン (Old One)

聞いたか。聞こえたか。あの笛の音は合図だ。侵入者を知らせる古き者たちの囁き声だ。闇を蠢く衛兵に気をつけろ。その姿を見てはならない。その声を聞いてはならない。その存在すら感じてはならないのだ。

Dark Young

50. ダークヤング (Dark Young)

歪みねじれた空間では、木々も奇妙にねじれ、うめき、闇を闊歩し出す。黒き仔山羊達を歪曲の森から出してはならない。千匹の仔山羊たちは全てのものを母なる大地に還すまでその使命を遂行するだろう。

Zomtobeetle

51. ゾムトビートル (Zomtobeetle)

それを一匹でも見つけたらその森は焼き払うがいい。躊躇してはならない。暗き森に潜む恐怖は止まることを知らない。壊れることを知らない。ただ死神の気まぐれに従うのみ。

Dearlapool

52. デアラプール (Dearlapool)

死神の鎌を見たことがあるだろうか。それは物質の秩序を崩壊させるのみならず、生の秩序をも切り落とす。それは混沌の信奉者の創り出した忌むべき存在である。

kardi-riipes

53. カルディ・リペス (Kardi-riipes)

狩を楽しむのは人類の特権ではない。紅き狩人たちは更に愉快な狩を知っている。追い回す楽しみ。撃つ楽しみ。苦痛を与える楽しみ。そして、終焉を理解させる楽しみ。奴等にとって狩は餌を得る手段ではない。快楽を得る手段である。

Pucoro-eeer

54. プコロエール (Pucoro-eeer)

ル・レフより現れた宮廷騎士達はミスリルの鎧に身を包み、両手に巨大な剣を携えている。騎士達の使命は異界の者どもの殲滅であり、主の復権である。騎士達にとって異界のものとは我々のことである。

Rem-ge-iihas

55. レムゲ・ハス (Rem-ge-iihas)

その領域を見つけるのは容易だ。気配が違う。いや、空気が違う。領域の内側では時の流れが変わるという。空気が重いという者もいる。とにかく境界を越えてはいけない。越えてはならないのだ。

Shoggoth

56. ショゴス (Shoggoth)

それがなんなのか知りたかったわけではない。知ってしまったのだ。のそりと動いた。声を出した。囁いたのか。見たいのか。どこだ。分からない。どうして。何を。いいのだな。そうだ。そう。いや。違う…

Gemrus

57. ゲムラス (Gemrus)

その落とし子は、不自由な体を引き摺り、体液を滴らせ、ゆっくりと移動していた。その落とし子は、不器用に触手を動かし、よだれを垂らして、餌を溶かしていった。

Byakhee

58. ビヤーキー (Byakhee)

召喚に応じ現れたその従順な僕は蝙蝠のようであり、禿鷹のようでも、蟻のようでもあった。魔風の流れに乗って飛び去ったその生き物は、一瞬にして視界から消え去っていた。

Oft

59. オフト (Oft)

その炎の眷族が飛来したとき、地上は火の海と化した。燃え盛る炎は地上を七日間覆い尽くし、水の民との戦いは三年に及んだ。再びアルデバランが正位置にくるとき、炎の神は帰還する。

Bathion

60. バシオン (Bathion)

それはあまりに美しすぎた。混ざり合う色彩。溶け合う幾何学模様。煮え立つ混沌を言葉で表すことなどできるはずもない。美しすぎるが故に見る者に最大限の恐怖と嫌悪感を与える。

Star Vampire

61. スターヴァンパイア (Star Vampire)

確かに何かがいた。誰かがクスクス笑っていた。召喚は失敗などしていなかったのだ。その後、味方に何が起こったのか知る者はおそらくそいつを除いてはいないだろう。責任は全てそいつが負うべきなのだ。

Flying Polyp

62. フライングポリープ (Flying Polyp)

それを見つける方法は二つある。かすかなフルートの調べと、腐った魚のような匂いだ。どちらかを確認したなら、よく周囲を凝視しろ。見えないのではない、そう思わされているだけだ。

Servitor

63. サーヴィター (Servitor)

神は歌と踊りを好む。断続的に変調を繰り返す曲に合わせ、狂った踊り子達は歌を歌い、笛を吹き、舞を踊る。渦巻く混沌の直中で終わることなき魔宴は、宇宙が究極の混沌である無を迎えるまで続けられる。

Man-o'-war

64. マ・ノ・ウォー (Man-o'-war)

その生物が果たしてほんとうに異界より訪れたものなのか調べようとする者はいなかった。その形状から無条件で敵対視されてしまったのである。外なる神がもたらした最大の恐怖は人の心の中で着実にその成果をあげていっている。

Illustrated by 秋 荒摩